First Love 〜俺に惚れろ〜
部活
「おはよ」
朝、教室に入ると瑞穂が話しかけてきた。
それに「おはよー」と笑顔で返すと、少し驚いた顔をした瑞穂だったが、すぐに安心したような表情を浮かべて
「よかった」
と柔らかな笑みを向けてきた。
…ぁ、そっか。
「心配かけてゴメンね…?もぉ大丈夫ッ、ありがと♪」
「そっか」
それからHRを終えて、悠が遅刻してきて
何気なく見てみたらその横顔に心臓が跳ねた。
「…何これ」
「あ?」
声に出してしまい、慌てて「何でもないっ」と返す。
最近ホント、悠に関してナナは変だと思う。
バクバクうるさい心臓がなんとか落ち着いた時、チャイムが鳴り響いた。
「ナナ」
「え!?あ、な何?」
「?
あのさ、ナナ…ずっと忘れてるみたいだけど」
……?
忘れてる?
瑞穂の言葉に首を傾げると、すぐに「部活」と続けてきた。
部活?
「ナナ、部活入ってないでしょ。そろそろ決めなきゃヤバイと思うんだけど…」
瑞穂の話によると
部活に入らない、つまり『帰宅部』の場合、内申書が下がる…らしい。