First Love 〜俺に惚れろ〜

部活



「おはよ」

朝、教室に入ると瑞穂が話しかけてきた。

それに「おはよー」と笑顔で返すと、少し驚いた顔をした瑞穂だったが、すぐに安心したような表情を浮かべて

「よかった」

と柔らかな笑みを向けてきた。

…ぁ、そっか。

「心配かけてゴメンね…?もぉ大丈夫ッ、ありがと♪」

「そっか」


それからHRを終えて、悠が遅刻してきて

何気なく見てみたらその横顔に心臓が跳ねた。

「…何これ」

「あ?」

声に出してしまい、慌てて「何でもないっ」と返す。

最近ホント、悠に関してナナは変だと思う。

バクバクうるさい心臓がなんとか落ち着いた時、チャイムが鳴り響いた。


「ナナ」

「え!?あ、な何?」

「?
あのさ、ナナ…ずっと忘れてるみたいだけど」

……?
忘れてる?

瑞穂の言葉に首を傾げると、すぐに「部活」と続けてきた。

部活?

「ナナ、部活入ってないでしょ。そろそろ決めなきゃヤバイと思うんだけど…」

瑞穂の話によると

部活に入らない、つまり『帰宅部』の場合、内申書が下がる…らしい。

< 84 / 102 >

この作品をシェア

pagetop