スキトキメイテキス【BL】
「──嫌いだなんて、言えるわけ無いじゃないですか」
少なくとも今は、嫌いではない。
好きかと言われれば、少し返事に困るけれど。
でも、嫌な感じはしない。
「十流」
急に名前を呼ばれて、僕は思わず肩をビクつかせる。
そろりと視線を彼に送ると、ニヤ、と何だか嫌な笑みを向けられた。
思わず俯くと、今度はあのお皿の文字が目に飛び込んできた。
『LOVE』の文字を見ているのが辛い。
そんな事を思ったのも束の間。
ガタ、と椅子が動く音が聞こえるのと同時に、俺様水野の手が僕の顎を捕らえて正面を向かされた。
僕よりも大きな手からは甘い香りがして──