汚レ唄
お兄ちゃんが好きって言っちゃった?
言っちゃったよね??
どうしよう!!
いやいやいやいや。
でも、もしかしたら聞こえてなかったかもしれない。
伺うようにゆっくりと祐君の顔を見ると、祐君の顔は驚いたように目を大きく見開いていた。
……それってつまり、聞こえたってことだよね。
祐君は目を見開いたまま呟いた。
「……お、兄さん?」
確実に聞こえてる。
まぁ、いいか。
私がお兄ちゃんが好きなこと知ったら、さすがに祐君も引いちゃう。
そしたら、こんな風に優しくできないだろう。
そしたらこんなに心を揺すぶられることもなくなる。
「そうだよ。私が好きなのは実の兄。血の繋がった兄だよ。軽蔑した?」