汚レ唄

お兄ちゃんが好きって言っちゃった?


言っちゃったよね??

どうしよう!!





いやいやいやいや。

でも、もしかしたら聞こえてなかったかもしれない。

伺うようにゆっくりと祐君の顔を見ると、祐君の顔は驚いたように目を大きく見開いていた。




……それってつまり、聞こえたってことだよね。

祐君は目を見開いたまま呟いた。



「……お、兄さん?」

確実に聞こえてる。






まぁ、いいか。

私がお兄ちゃんが好きなこと知ったら、さすがに祐君も引いちゃう。



そしたら、こんな風に優しくできないだろう。



そしたらこんなに心を揺すぶられることもなくなる。






「そうだよ。私が好きなのは実の兄。血の繋がった兄だよ。軽蔑した?」


< 128 / 665 >

この作品をシェア

pagetop