汚レ唄
「…………ぷ(笑)そんな考え込まなくても。いいから、行くよ?今日はオールナイトだぁ!!」
と大声で叫び腕を強引に絡ませる。
おいおいおいおい。
この子は何をしておられるんですか?
いまいち、この状況についていけないまま、引かれに引かれ、俺は羽香の家の近くまで来ていた。
「ちょっ!!俺ら、別れたんならさ、一応けじめつけない?」
「けじめ?」
「そう、けじめ」
「じゃあ、けじめとして、さっきの答え聞かせてよ」
ドクリと心臓の音が体中に響く。
「ねぇ、どうして麻緋ちゃんなの?」
「は?どうしてって」
「なんで麻緋ちゃんがいいの?」
腕に絡まる羽香の腕にギュッと力が込められる。
「なんでって……」
「あたし、納得いかないんだよね。なんであたし、身代わりにされたのかなぁって」
罪悪感で心臓が締め付けられる。
「ねぇ??」
「……あ、さひは、俺とずっと一緒にいたから」
生まれたときから傍に麻緋がいた。