汚レ唄
「……なんでSAMURaiってグループ名になったのか?」
雑誌をそのまま棒読みすると静さんが笑う。
「そうだよ。お前、なんで俺らがSAMURaiなのか知ってるか?」
そういえば……知らない。
気付けば、バンドが出来上がってていつの間にかSAMURaiになっていた。
「続き……読んでみろよ」
『侍のように真っ直ぐ、曲げない心を持ちたい』という思いがあったということ。
そして、その中に愛(ai)する気持ちを忘れずにいたいという意味があってSAMURaiにしたと書かれていた。
真っ直ぐつきすすんでいくけど、その中に愛がある。
雨の日も、雪が視界を奪ったとしても、雷のやまない夜にだって、何があっても真っ直ぐ前だけど見据える強い侍。
愛ある侍。
愛を失うことのない、侍たちのようになりたいのだと、雑誌には書かれていた。
「……これは本当なんですか?」