汚レ唄


「……なんでSAMURaiってグループ名になったのか?」


雑誌をそのまま棒読みすると静さんが笑う。




「そうだよ。お前、なんで俺らがSAMURaiなのか知ってるか?」



そういえば……知らない。



気付けば、バンドが出来上がってていつの間にかSAMURaiになっていた。



「続き……読んでみろよ」



『侍のように真っ直ぐ、曲げない心を持ちたい』という思いがあったということ。

そして、その中に愛(ai)する気持ちを忘れずにいたいという意味があってSAMURaiにしたと書かれていた。



真っ直ぐつきすすんでいくけど、その中に愛がある。



雨の日も、雪が視界を奪ったとしても、雷のやまない夜にだって、何があっても真っ直ぐ前だけど見据える強い侍。


愛ある侍。


愛を失うことのない、侍たちのようになりたいのだと、雑誌には書かれていた。



「……これは本当なんですか?」



< 332 / 665 >

この作品をシェア

pagetop