汚レ唄
はぁ〜。全然、はかどらねぇ。
暑いし頭が働かない。
「あ〜!!!」
不思議と中峰と別れたというのに、虚しさも何も感じない。
ただ14歳の夏によく会った人物というだけの感覚。
暑い。
俺は今度はリビングに向かった。
アイスばっかり食べてもお腹壊してしまうし、冷たい麦茶でも飲もうかと思ったのだ。
喉を鳴らしながらゴクゴクと勢いよく飲んでいると、自然と洗濯物が目に入った。
麻緋のシャツと俺のシャツが仲良く並んでる。
あんな風に実際仲良く並べれたらなぁ。
そんなことできたらいいのに。
風に吹かれて一緒に揺れてるシャツがなんだか羨ましかった。
「蒼?」
ドキっ!!
この声を聞いてこの上ないくらい心臓が跳ね上がった。
「麻緋?どうした?」
努めて冷静に。
努めて笑顔で。
「その……ありがと」
麻緋は顔を真っ赤にしてタオルケットをコチラに渡してきた。