汚レ唄
「もう寝ないのか?」
「うん?……寝ない」
目を合わせようとしない。
「なんかあった?」
きいても麻緋の返事は「なんもないよ?」の一言だった。
でも、なんか違和感を感じるんだよなぁ。
「それならいいけど。んじゃ、俺宿題するから」
「うん……」
部屋に戻っても宿題なんてする気になれない。
ベッドにダイブしてると今度は俺がうとうとしてきた。
朝から暑くて早起きしてしまったからなぁ。
さっき返ってきたばかりのタオルケットをかぶる。
ふわりといつもとは違う香りがする。
なんでか嬉しい香りだった。