alternative
Mother
晴もようやく営倉から出て、また訓練分隊全員での訓練が始まる。

今日は横須賀基地敷地内にある森林を利用しての隠密戦闘訓練。

各隊員一人ずつで森林の中を行動し、気づかれないように『一本』とるというものだ。

「……」

茂みの中に身を潜め、息を殺して周囲の様子を窺うのは綾斗。

得意の軍刀を抜いて、物音を立てないように行動を開始する。

しかしその頭上から。

「動くな」

何と樹上から飛び降りてきた皓が、彼女の背中にナイフ型軍刀の切っ先を突きつける。

正面切っての戦闘では分が悪いが、敏捷性と身軽さでは皓に軍配が上がる。

「参った…やっぱりスピードじゃ敵わないな」

綾斗は潔く両手をあげて降参を宣言した。

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