alternative
『Operation Daybreak』を知らされ、時雨分隊の隊員達は緊張を隠せない。

この作戦はきっと、時雨分隊が中心となって展開される。

彼らは唯一AOKを仕留める事の出来る、いわば人類の希望。

極東支部の切り札なのだ。

次の作戦は本当に命懸けのものになるだろう。

もしかしたら命を落とす事になるかもしれない。

『先生へ』

横須賀基地の食堂の片隅。

晴は、自分を育ててくれた施設の先生に宛てた手紙をしたためていた。

『これを読んでいるという事は、きっと俺は死んだという事ですね。俺は最後の作戦の前にこの手紙を書いています。俺だけでなく、多くの仲間が死んでしまうかもしれない、とても危険な任務です』

身寄りもなく、虎狼の如く餓えて他人の食べ残しを漁って生きる人生を送るかもしれなかった晴を拾い、施設に招き入れ、人並みの温かさと家族の温もりを教えてくれた先生。

晴は感謝してもしきれない。

だからこそ、せめて最期はその感謝を形として残しておきたかった。

『夜明け前には出撃する事になります。遺骨すら残らないかもしれない任務ですが…どうか俺達が生きていた事だけ、覚えていて欲しいと思います…』

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