alternative
次に立つ者は、一段と背が低かった。

「皇城 皓、よろしく」

ふて腐れたように皓が口を尖らせる。

「何だその態度は。入隊すると言った以上腹を括らないか」

「ケッ」

皓はそっぽを向き、時雨に対してふてぶてしい態度をとる。

そんな彼を。

「ってぇ!」

時雨は音高く平手で打った。

「何しやがる!」

「最初に言っただろう。私はこの分隊の教官であり分隊長だと。この平手は、教官としての平手でもあり、分隊長としての平手でもある」

冷たく凍りつくような視線で、彼女は皓を見下ろした。

「部隊はたった一人の勝手な行動で全滅すら招くのだ。甘えは許さん。誰であろうと絶対にだ…覚えておけ」

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