alternative
やがて皓とラルフの二人は、昼間の戦闘があったあの市街地付近に辿り着く。

「ラルフ、あれ!」

皓が指差す。

よくこれ程の闇夜の中で目がきくものだ。

然程視力のよくないラルフは、いつも度入りのゴーグルをかけている。

そのゴーグル越しでさえ、目を凝らして指された先をよく見ると。

「!」

人影がボンヤリと見えた。

長身、細身、蒼い髪。

間違いない、晴だ。

脱走したからには今も逃走中かと思っていたが、思ったよりも基地に程近い場所に彼はいた。

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