alternative
黙々と朝食を食べる晴と綾斗。

無言だが、仲間がそばにいるという感覚が心地いい。

そう思っていると。

「ありゃ?先客がいらぁ」

盆片手に皓がやってきた。

「何だよ皓、お前もか?」

振り向く綾斗。

「うん、俺梅干し苦手でさぁ。いつも晴に食べてもらってたんだけど、今日はいないからさぁ」

そう言って、皓は鉄格子の向こうの晴の茶碗に梅干しを置く。

「食べてくれよ、晴」

ニッと満面の笑み。

「…好き嫌いするから大きくなれないんだよ、皓は」

微かに笑顔を浮かべ、晴は梅干しを口に入れた。

「背の事は言うなっ」

口いっぱいにご飯を含んだ皓。

膨れっ面なのか詰め込み過ぎなのかわからなかった。

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