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一人の筈の朝食が三人。

勿論それだけではない。

更に増える。

「おやおや、みんなお揃いで」

「も~っ、こっちに来るなら何で誘ってくれないのぉ?」

ラルフと奈々まで、営倉にやってきた。

「奈々が『晴君大丈夫かな』『晴君大丈夫かな』ってうるさくてさ」

「なっ、ラ、ラルフさんだって言ってたもんっ!」

言い合いながらも腰を下ろす二人。

見張りの兵士が咳払いしても気にしない。

訓練分隊全員が揃って、営倉の晴と共に朝食をとる。

「も~らいっ」

「あっ、皓君が私の卵焼き一個とったぁ!」

「綾斗、その焼き魚要らないならくれよ」

「ああ、いいよ」

「無~視~さ~れ~た~!」

奈々がジタバタしながら箸を振る。

その光景を目を細めて見つめながら。

「ほら奈々、俺の卵焼きやるよ」

晴は鉄格子から皿を差し出す。

「えへへ、晴君優し~♪」

「奈々、営倉に入れられてる奴から食べ物取っちゃ駄目だよ…」

ラルフが苦笑いした。

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