あたしを愛して。
「あんたが死ぬならあたしが死ぬ!蓮がいない世界なんて生きたくない!」
そう言って由真は自分の胸に包丁を構えた。
「由真っ!」
あたしは由真に近づくと、
由真が構えていた包丁を由真の胸に押し当てた。
「な・・ん・・・で」
だんだん由真の胸が赤く染まっていく。
「由真の血は汚いね」
あんなに蓮は綺麗だったのにな・・・。
由真は心臓に近かったのか一撃でもう死にそうだった。
「な・・ハァハァハァんであた・・しを・・ハァハァハァ・・刺し・・たの?」
「なんで刺しちゃいけないの?」
「クッ・・ハァハァハァ・・蓮・・」
由真は一筋の涙を流した。
そして由真はピタリと動かなくなった。
「由真も死んだか・・・つまんないの。
そういえば、なんでって聞いたよね?
由真死んじゃったし教えてあげるね。
あたし死ぬ気なんてなかったんだよ。
最初から由真を殺そうとしての演技だよ。
けどね、由真あんた馬鹿だから1人勘違いして包丁掴んで《あたしが死ぬ》とか言い出すから、ただ押して死ぬのをあたしは手伝ったただけ」
蓮の浮気相手があたしだったって分かった瞬間、死ぬ気はなくした。