あたしを愛して。
蓮の腹がだんだん赤く染まっていく。
「蓮の血、とても綺麗だね」
綺麗すぎてうっとりする。
「ゆ、許し・・てくれ・・」
「ダメ。許さないよ。あたしから離れようとするなんてダメだよ?」
「・・・由・・真」
蓮・・・――――
今まで言ってくれなかったあたしの名前を言ってもダメだよ?
「蓮、あたしも後で逝くからね」
あたしはニッコリ笑った。
「嫌だ・・・嫌だ・・やめてくれ―――――」
「後でね」
「まっ・・・ウッ・・クッ・・由・・真」
「・・・蓮?」
「・・・」
蓮の心臓は止まっていた。
蓮はもうこの世にいない。
蓮はあの世に逝ってしまった。
――――蓮の最後の言葉はあたしの名前の"由真"だった。