yours only
二人の思い出が、

いっぱい詰まった部屋を出る。




玄関に立つ彼に、

私が使ってた鍵を手渡す。



受け取ったあと、彼は大きく息を吐く。





しばらく無言で見つめ合う二人。



二人の想い出を、

胸にしっかり刻込むかのように・・




「じゃあね。」




と言った私をぐっと抱き寄せる。


私を抱き締めた腕に力がこもる。





あぁ、彼の腕の中だ。



私が愛した彼の腕の中。

何度も何度も抱き締めてくれた彼の腕。




もう、これで最後なんだね。

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