「葡萄(ぶどう)を見つめるきつね」
そして、きつねが最後の一房を食べ始めたとき。
「これ・・・。ねこさん!食べてみて!」
「甘い・・・。甘いにゃ!」
「やっぱり甘くなるんだよ!」
「そうだにゃぁ・・・!」
「もうちょっと我慢してれば全部こういう味になってたのかな。」
「かもしれないにゃ。」
「あはは。」
「にゃにゃにゃ。」
最後の一房、甘い一房をゆっくりと食べると、猫ときつねは笑いあった。
猫はこの木の実、ぶどうがもっと沢山実っている場所があるときつねに言った。
きつねは、酸っぱい果物はもういらない、とだけ言った。