「葡萄(ぶどう)を見つめるきつね」
そして、違う場所。
猫ときつねのいない場所。
鳥が今日も飛んでくる。
「ボク、この木の実好きだな。」
「え?このブドウかしら?」
「これ、ブドウって言うんだ?」
「そうよ。ここのブドウは特別甘いのよ。」
「そうなんだぁ・・・。」
「そういえば、どこかで猫ときつねがブドウを採ろうとして必死になってるって聞いたけれど・・・。」
「これ、持っていってあげようよ!」
「ふふ。あなたのそういうところ、好きよ。」
「それじゃ、行こう!」
きつねは木の実を採るので精一杯。
猫は日向ぼっこをしている最中。
それぞれにとても甘いブドウが届くのは、もう少し先のこと。