「春夏秋冬」
今日も、勉強。
きっと明日も勉強だ。
終わりのないこのレース。
勝者なんているはずもない。マラソンだからだ。完走したとき。それは死んでしまったときだ。
永遠ともいえるようなこのレースに、勝者なんてものは存在しないような気がしていたのだ。
集中力が途切れてしまいそうになって、慌てて黒板に注意を傾ける。これでは、完走なんてできやしない。
自分の考え、なんてものは。ないのかもしれない。
しばらくそんな時期が続いた。
良い学校には入れたならば、良い勉強が受けられる。そして、より良い学校へと入る事ができる。その繰り返しだ。
多少、舞台設定が変わってしまったとしても、本質は変わりはしない。
いつの時代も、そんな事を繰り返して現代まで繋いできたのだから。
進路について考える。
何がしたいのか、全く分からない。
気楽に生きていたかったのかもしれないが、それは都合の良すぎる夢だ。見てはいけない。
そろそろテストもあるし勉強する時間を増やさないといけないかもしれない。そんな時だった。