始まりの音-絶対温度-
「…っ!!」
桜色に染まる頬、やっぱり可愛いー。
「あんたね、あたしにそんな事言っていいと思ってんの?」
祥子ちゃんは少し怒った様に声を上げた。まあ、確かに彼女にあんなにストレートに拒否の言葉を投げつける人間なんていないだろうな。
「いちいち許可が必要な訳?面倒くさい」
機械的な声は冷たく放たれて、あまりにも優しくないその口調に思わず俺も祥子ちゃんを援護したくなる。
祥子ちゃんはまた、唇を噛んで、勝ち気そうな瞳を委員長さんに真っ直ぐ向けた。
重い沈黙が続いて、
「……いちいち許可がいんのよあたしは!!」
それに耐えきれなくなったのか祥子ちゃんは泣きそうな声を上げた。