I think of you.
横でモゾモゾ動いている千晴の気配で、あたしは起きた。
どうやらあのまま寝てしまったみたいだ。
「おはよ、奈央」
「おはよぉ… ん?」
手に違和感を感じ見てみると、キラリと光る指輪がはまっていた、
「千晴っ! これ」
「あぁ、うん。ほら。ペアリング」
そういって自分の左手を見せる千晴。
「うぅ… 千晴の馬鹿ぁ」
「なんで泣いてんだよ! 俺、なんかした?」
泣いてて言葉にできないあたしは、必死に首を左右にふった。
千晴はあたしの頭を撫でながら優しく笑って、
「指輪、内側が重要だから」
ゆっくり指輪の内側を見ると、アルファベットが彫ってある。
「なんて書いてあるの?」
「読めないの?」
「読めない。教えて?」
そう聞くと、千晴はあたしを抱きしめて耳元で囁いた。
「I think of you.」
~END~