【短編】年下彼氏。


そうこれよ、これ。

最近感じる違和感。



小学校まで普通に「美紗」って呼んでたくせにあたしが中学生になった途端、「先輩」って呼ぶようになった。


最初は変な感じだったけど今ではなんだか優越感に浸ってたりする←


それに小さい頃は「美紗姉ちゃん」って慕ってくれてたのに、小6あたりから性格が今みたいになってしまった。

昔はあーんなに可愛かったのに…





「ママそんな子に育てた覚えないわよー(泣」

「はぁ…どーやったらそんな話になるわけ?…てか、育てられた覚えなんてねーよ」

「え、あ、ごめん(汗」





遥は呆れたように溜息をついた。

今、絶対バカって思ったなコイツ…





「あ、愚痴ってもいい?」



「いい?って…ダメっつってもどうせ愚痴るつもりだろ?」

「あはは、わかる?」


「わかるし、それくらい。何回聞かされてると思ってんだよ、バカ」

「バカって言ったほうがバカなんですー」





遥の前では自然体でいられた。

恋愛対象じゃないからだろうけど、遥と話してる時だけは本当の自分な気がして安心する。




あたしを鼻で笑って、それから部屋を出ようとする遥。

無意識で制服のままの遥の袖を掴んでいた。

それに気付いて遥が振り返る。






「……何?」

「どこ、いくの?」



< 6 / 35 >

この作品をシェア

pagetop