【短編】年下彼氏。
「1階、飲み物取りにいくだけ。」
「あ、なんだ…びっくりした」
何聞いてんだろ、あたし。
ただ何だか…傍にいてほしかった。
1人になるのが寂しくて。
やっぱり涙は出なくても、失恋のダメージは受けてるみたい。
ぱっと袖を掴んでいた手を離した。
「…っ……そんな目で見んじゃねーよ」
「…え?目?」
「…別に、何でもない。…すぐ戻ってくるから待ってて?」
「あ、うん」
バタン。
1人になってから、くるりと部屋を見渡す。
にしても小綺麗な部屋だなぁ…
白でまとめられた家具にカラフルな小雑貨やサッカーボールが置いてある。
教材もすっきり整頓してあって、あたしの部屋とは大違い。
でものサッカーボールの隣にピンクのウサギのぬいぐるみが置いてあって思わず笑ってしまった。
あれ、あたしが昔あげたやつ…遥に似合わな過ぎて面白い。
「何笑ってんの?キモい」