桜、咲く頃会いましょう。
第十四夜 忍び寄る足音
【桜子】


桜の季節はその花が散ってしまうかのように急ぎ足で終わりを告げ



夏はうだるような暑さだけを残し過ぎ去っていった




私はというと掃除に洗濯をこなしご飯を作ると言う平凡なようで私にとっては幸せな日常を過ごしている




「聞いてくれよ〜サクラちゃん…」

「どうしたんですか原田さん?」




選択の最中に私の目の前に現れた原田さん



なんだかものすごく難しい顔をしている



「俺も手伝うよ、いつもすまねえな?」

「いえ、ありがとうございます」

「それでな、今日の俺の仕事なんだと思う?」



原田さんのお仕事?



「巡察とかですか?」

「制札の警備」

「え?」



制札って民衆に法令を書いて掲示するものだよね…?




その札をどうして新撰組が警備しなければならないんだろう?


< 276 / 336 >

この作品をシェア

pagetop