溺愛ダーリン&愛しのハニー

 病院に運ばれたお婆様の病状はいつもの心臓の持病の発作。


 「…珪さまあなたは当主でありますが…あまり勝手なことは慎んで頂きたい」


 処置室の前で控えていた俺に桑原さんが俺に釘を刺す。


 長年…秘書を務める桑原さんは歳は68歳。


 ウチの父よりも年上。


 「……会長も…あなたのように若い時…恋に落ちました…。彼は緑の目の外人でした。
しかし…舶来の血の者と結婚することは先代の会長様が猛反対…。二人は泣く
泣く別れました」



 「……」



 お婆様にもそんな『恋物語』があった。俺は初めて知った。それも俺の左目と
同じ緑色の外人とは……。



< 129 / 292 >

この作品をシェア

pagetop