君と見た空。
孤独雨
彼女は検査のため一日だけ、

病院に泊まることになった。


そして、次の日の午前中、

僕は茜を迎えに、病院へと向かった。


病院へ続く角を曲がると、ベンチに座って、

看護師さんと話している茜が見えた。


「茜、ゴメン。遅れた。」

彼女たちは僕に気付き、

こっちを向く。

茜はふくれっつらで、「おそいよ。」と

怒っていた。


「だからゴメンって。」

何度も僕は謝る。

茜の顔には怒りが無く、笑顔があった。


「ありがとうございました。」

僕たちは看護師さんにお辞儀をする。

看護師さんも笑顔でお辞儀を返してくれた。

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