君と見た空。
「この傘ね、茜のお気に入りだったの。
 
 中学校に入るお祝いにって

 買ったんだけど、

 最近始めて使ったのよ・・・。」

傘を眺めながら、

懐かしそうに、そして、

悲しそうに話している姿を見て、

僕の心はズキッと痛んだ。


「いいです。学校まで近いんで。

 茜を、茜を守ってあげれなくて

 すいませんでした。」

そういい残して僕は、

雨の中に飛び込んでいった―。


鼻の奥がツーンとして、

その柔らかな痛みが、

目の奥に広がっていく。


「茜、ごめんね・・・。

 僕は、僕は、




 君を守っていく資格なんか無いんだ―。」
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