君と見た空。
病院の階段を一気に駆け上がる。

エレベーターになんて目もくれずに・・・。


7階。


前、ずっと前に来たときの、

茜の病室に着いた。


そこには、、、茜の、、、






茜の名前がなかった―――。


どうして?どうしてなんだろう。

頭が真っ白で、

ただ、真っ白なだけで、

何も考えられない。


途方に暮れ、

僕はふらふらと廊下を歩いた。


さっきまでの勢いは、

一瞬のうちになくなっていた。


患者さんを見つけるたび、

茜を思い出す。


あの愛しい笑顔とともに・・・・・・。
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