花にアラシ
「…義妹…だと…?」
「ええ。蓮さんから聞いてませんか?私の母と、蓮さんが昨日婚姻届を出しまして。正式に私と母は国見の姓になりました。」
「…あのくそ親父…性懲りもなく…っ」
ぎり、と歯の軋む音。
長い前髪で見えなかったコバルトブルーの瞳は怒りに揺れていた。
「昨日早速2人で1ヶ月イタリアへ新婚旅行へ出かけて行ったので家には今私しかいないんですけど……、帰っては、こない…ですよね…」
華と名乗った少女はすこし寂しそうに笑ってそう訪ねた。
嵐は、さも徒然だといったようにぎっと目の端で華を睨むと、すぐに視線を外した。
「あ、今日伺ったのはご挨拶もかねて、昨日帰宅していない様でしたからお弁当を持って来たんです。」
おなかすいてませんか?とこてんと首を傾げるその姿はまるで人形の様。
白い陶器のような肌にうっすらと桜色に染まった頬。
ふっくらとした小さめの唇、こぼれ落ちそうなほど大きく、黒い虹彩を携えた瞳に、影を落とすほどのびた長い睫。
純日本人といったその姿はまさに美少女という他ない。