初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
あはは、と笑ってさっきの言葉を打ち消そうとした瞬間、
『――うん、絶対に行くからね』
携帯の向こうから、シンさんの返事が届いた。
『最近、仕事で忙しくってね――あまり時間が作れない状態になってたから、これじゃあお店に行ってもすぐに帰らなきゃいけないようになっちゃうなーって思ったから、諦めてたんだ』
あ、やっぱりすごく忙しかったんだ……
「あ――ご、ごめんなさい……っ!」
『ううん、謝る必要はないよ。さくらちゃんがそう言ってくれたから、僕もお店に行ってもいいんだーって思って、また行きたくなっちゃった。――短時間だけの帰宅でも、いいかな?』
「はい、それはもちろんです。それに、お店に来ちゃいけないなんてこと、ありませんから」
『うんっ! ――ありがとう』
あたしが弾んだように返事をすると、シンさんもすごく嬉しそうな声を返してくれた。
たとえ短時間でも、シンさんが来てくれるほうがあたしもそわそわしなくて済む。
それに――やっぱりあの温かい笑顔をちょっとでも見たい。
なんて思っていて……このときのあたしは、シンさんのことを考えると、心に掛かるもやもやする濃い霧のような思いが日に日に強くなっていっていて……気持ちの奥底で自分の気持ちに困惑していた――ように、思う。
それはまだ、シンさんに対する自分の気持ちが自分自身でちゃんと分かっていないためのもやもや……だった。
『――うん、絶対に行くからね』
携帯の向こうから、シンさんの返事が届いた。
『最近、仕事で忙しくってね――あまり時間が作れない状態になってたから、これじゃあお店に行ってもすぐに帰らなきゃいけないようになっちゃうなーって思ったから、諦めてたんだ』
あ、やっぱりすごく忙しかったんだ……
「あ――ご、ごめんなさい……っ!」
『ううん、謝る必要はないよ。さくらちゃんがそう言ってくれたから、僕もお店に行ってもいいんだーって思って、また行きたくなっちゃった。――短時間だけの帰宅でも、いいかな?』
「はい、それはもちろんです。それに、お店に来ちゃいけないなんてこと、ありませんから」
『うんっ! ――ありがとう』
あたしが弾んだように返事をすると、シンさんもすごく嬉しそうな声を返してくれた。
たとえ短時間でも、シンさんが来てくれるほうがあたしもそわそわしなくて済む。
それに――やっぱりあの温かい笑顔をちょっとでも見たい。
なんて思っていて……このときのあたしは、シンさんのことを考えると、心に掛かるもやもやする濃い霧のような思いが日に日に強くなっていっていて……気持ちの奥底で自分の気持ちに困惑していた――ように、思う。
それはまだ、シンさんに対する自分の気持ちが自分自身でちゃんと分かっていないためのもやもや……だった。