初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
駅前には、大きなコインパーキングがある。
この辺りにはここしかパーキングがない。
車じゃなくて電車だったとしても、最寄の駅はここだから、必然的に追いつける確率は高いと思った。
もし、シンさんがこの辺りに住んでいて、反対側に行ってしまったら――万事休す、かもしれないけれど。
「はぁっ、はぁ――っ……」
混雑とまではいかないけれど、走るには邪魔になる程度の人が行き交う道を、あたしは懸命に間を縫うように走る。
お願い――この忘れ物をきちんと届けられますように!
心の中で懸命に祈りながら、駅前付近の交差点までやって来たあたし。
歩行者用の信号は赤で、横断歩行の前には信号を待つ人がたくさんいる。
暗いしあまり顔は見えないけれど、目を凝らして信号を待っている人を注意深く見ていく。
息を切らしながらその人の中を見ること――数秒。
「居た――っ!」
人ごみを避けるように、少し脇に立っているその姿。
今日の服装は薄ねずみ色の春用ジャケットだったし、あの髪型や立ち姿――それにちらりと見える横顔……間違いないはず。
頭の中でそう一致させると、信号が変わってしまう前にあたしは最後の力を振り絞るように勢いよく再び駆け出した。
この辺りにはここしかパーキングがない。
車じゃなくて電車だったとしても、最寄の駅はここだから、必然的に追いつける確率は高いと思った。
もし、シンさんがこの辺りに住んでいて、反対側に行ってしまったら――万事休す、かもしれないけれど。
「はぁっ、はぁ――っ……」
混雑とまではいかないけれど、走るには邪魔になる程度の人が行き交う道を、あたしは懸命に間を縫うように走る。
お願い――この忘れ物をきちんと届けられますように!
心の中で懸命に祈りながら、駅前付近の交差点までやって来たあたし。
歩行者用の信号は赤で、横断歩行の前には信号を待つ人がたくさんいる。
暗いしあまり顔は見えないけれど、目を凝らして信号を待っている人を注意深く見ていく。
息を切らしながらその人の中を見ること――数秒。
「居た――っ!」
人ごみを避けるように、少し脇に立っているその姿。
今日の服装は薄ねずみ色の春用ジャケットだったし、あの髪型や立ち姿――それにちらりと見える横顔……間違いないはず。
頭の中でそう一致させると、信号が変わってしまう前にあたしは最後の力を振り絞るように勢いよく再び駆け出した。