ダブルベッド
「じゃあ、デートしてよ」
「え?」
大きな目を更に大きくした桃香。
充はにやりとにっこりの中間くらいの笑顔で続ける。
「もちろんデート代は俺が出すからさ。次の土曜日の時間を、俺にちょうだい?」
「え、でも……」
「あ、彼氏いるんだっけ?」
「いるような、いないような……」
「じゃ、正式にはいないってことだ。ならいいじゃん」
ちょっと押しが強すぎただろうか。
困惑しているが、ノーとは言わせたくない。
いるような、いないような……か。
曖昧な返事だって想定内だ。
「行きたいとこ、考えといてね。それじゃ俺はこれで失礼するよ」
充は内心ドギマギしながら、コーヒーを飲み干した。