ダブルベッド

 桃香はタオルを二つ取って、片方を充に投げつけた。

「覗かないでよ?」

 充はおかしくなって、

「今更?」

 とからかう。

「覗くつもりだったの?」

「いや、やめろやめろもやれのうちって言うじゃんか」

「言わないから!」

 桃香は怒ったまま脱衣所に入り、暫くして浴室に入る音がした。

 カシャッと軽く聞こえたのは、恐らく鍵を閉めた音だろう。

 充はおかしくなって、クスクス笑いながらテレビのスイッチをオン。

 こんな日が毎週続けばいいと、しみじみ感じた。




第六章
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