ダブルベッド

「何かあったんすか?」

 充は軽い気持ちで沢田に訪ねてみた。

 沢田は神妙な顔をして言うのをためらっているようだった。

 その時。

「木下充さんですか?」

 充に気付いた警官が話しかけてきた。

「そうですけど。私が何か?」

 警官は名を名乗って話を始める。

「池田桃香さんのことでお話があるのですが」

 桃香という言葉に心臓が大きく動き出す。

 何かあったのだ。

「何でしょう」

 心を落ち着け、深呼吸をした。

「実は……」

 所内みんなの視線が二人に注がれた。

< 304 / 345 >

この作品をシェア

pagetop