ダブルベッド

「池田さん」

「なに?」

「いるようないないような彼氏とはどうなったの?」

 こんなこと聞くなんて男らしくない……。

 とはわかっていながら聞いてみる。

 相手が沢田であれば自分がとるべき行動が変わる。

 手を繋いだまま、しばしの沈黙が続いた。

 あまりにも桃香がなにも言わないので充が彼女に目を向けると……。

「池田……さん?」

 今にも泣き出しそうな顔をして、固まっている。

 繋いでいるのとは反対の手を口に当てて、目に溜まった涙をこぼさぬよう懸命に堪えていた。

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