キスフレンド【完】
「理子の親友として言いたいのは、遊びなら今すぐ手を引いてほしいってこと」
ナナちゃんはさっきとは打って変わって真剣な眼差しを俺に向ける。
俺はその瞳から目を反らさずに聞き返した。
「遊びじゃないって言ったら?」
「紫苑君、ごまかさないでちゃんと答えて?理子のことどう思ってるの?」
「それは、好きか嫌いかってこと?それなら好きだよ」
「そういうんじゃなくて……!!」
ナナちゃんの言いたいことは聞かなくても何となく分かっていた。
だけど、俺はあえて聞くことにした。
自分を戒(いまし)める意味でも。