キスフレンド【完】
「理子は……早くにお父さんを亡くして苦労してきたの。今も口には出さないけど、新しいお父さんのことですっごい悩んでる」
「うん。それは知ってるよ」
「あの子、人に気を遣うし、誰にも相談しないで自分の中に溜め込むところあるから……」
だから、屋上で一人で膝を抱えて泣いていたんだ。
姫は昔から、そうやって一人っきりで泣いていたのかもしれない。
「昨日……理子のお母さんから電話が来たの。理子が家出したって。昨日はうまくごまかしたけど……。あたし、理子には幸せになってほしいの。だから……」
「ナナちゃんの言いたいことは分かったよ」
「それって……」