キスフレンド【完】

―――

―――――

「しーおーん君!!」


カーテンの隙間から顔を出して俺の名前を呼ぶ女。


目には派手な化粧がされていて、まつ毛が異常なほどに上を向いている。


「ね、紫苑君もサボり?」


「まあそんなところかもね」


見たことがあるような、ないような。


だけど、彼女の口ぶりからして初対面ってことはなさそうだ。


体を起こすと同時に、女子生徒は俺の許可をとることなくベッドに腰掛けた。


「ねぇ、保健のセンセいないよ?」


「だね」


「保健室でするのって、なんか興奮しない?」





< 169 / 363 >

この作品をシェア

pagetop