キスフレンド【完】
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「しーおーん君!!」
カーテンの隙間から顔を出して俺の名前を呼ぶ女。
目には派手な化粧がされていて、まつ毛が異常なほどに上を向いている。
「ね、紫苑君もサボり?」
「まあそんなところかもね」
見たことがあるような、ないような。
だけど、彼女の口ぶりからして初対面ってことはなさそうだ。
体を起こすと同時に、女子生徒は俺の許可をとることなくベッドに腰掛けた。
「ねぇ、保健のセンセいないよ?」
「だね」
「保健室でするのって、なんか興奮しない?」