キスフレンド【完】
「そうだ……。これ……」
おじさんに渡された白い紙袋を思い出して、急いで中を見る。
中にはピンクの手袋と、一枚の手紙が入っていた。
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姫へ
ずっと姫の手を握っててあげたかったけど、
ちょっと無理っぽい。
だから、手袋を買ったよ。
女だらけの店に一人で入るのは抵抗があったけど
姫の為になら頑張れたよ。
俺と姫とシロの居場所、守れなくてごめん。
でも、あのアパートはずっと俺達の居場所だから。
誰か他の人の手に渡っても、俺達が過ごしたあの時間は
絶対に消えたりしない。
姫が忘れても、俺が全部覚えてるよ。
さよならは寂しくなるから言わない。
そのかわりに、ありがとう。
またいつか
会えたらいいな。
その時はきっと、姫じゃなくて『理子』って
呼べそうな気がするから。
また会う日まで。
紫苑
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