キスフレンド【完】


「あっ……」


その時、ふとあることに気が付いた俺は、おもむろにポケットの中の携帯を取り出して、電話をかけた。



「……――もしもし?海斗?」


「おお、紫苑!久しぶりだな!!元気してたか~?」


電話口から届く海斗の明るい声。



「そこそこ元気にしてる。海斗は?」


「俺はいつだって元気だし」


「確かにバカは風邪ひかないっていうしね。元気そうでなにより」


「ハァ!?うるせぇな!!」


海斗との会話に懐かしさが込み上げて、思わず笑みが漏れる。



「ねぇ、海斗。最近、変わったこととかない?」


「変わったこと?特にないな」


「そっか。それならいいけど……」


「お前ってホント素直じゃないな?」


すると、海斗は呆れたようにそう言った。







< 244 / 363 >

この作品をシェア

pagetop