キスフレンド【完】
「じゃあ、あたしお風呂のお湯入れてくるね」


「了解」


紫苑の背中に声をかけてバスルームに向かう。


栓をして給湯パネルに手を伸ばしたとき、再びさっきの出来事が頭に浮かんだ。


紫苑と親しげに話す美波さんという綺麗な人。


二人は……どういう関係なの?


紫苑も美波さんのことは何も教えてくれなかった。


今でも……不安はある。


だけど、これ以上聞く必要なんてないんだ。


だって、今あたしのすぐそばには紫苑がいるんだから。


手を伸ばせばすぐにその手を掴んでくれる。


あたし、何を迷っていたんだろう。


ちゃんと紫苑を信じなきゃ。



「よしっ」


気持ちを切り替えてキッチンへ向かい、紫苑に声をかける。

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