キスフレンド【完】
「それならどうして、昨日あたしと目が合ったとき背中を向けて逃げたの?」
「……逃げた?」
「そう。明らかに逃げたじゃない。彼女とあたしが会うと何かマズイことでもある?」
「別にそんなんじゃ……――」
「本当はやましい気持ちがあったんじゃないの?」
確かにあの時、前から歩いてくる美波さんに気付いた時、反射的に背中を向けていた。
でも、それは理子にこのバイトを始めたことを知られたくなかっただけ。
このバイトが理子に知られたら、俺の計画が水の泡になってしまうから。
やましい気持ちがあったわけじゃない。