キスフレンド【完】
多分、紫苑の言葉通りだ。
本当に泣くほど紫苑とのキスが良かったから。
想像していたよりもずっとよかったから……――。
「……紫苑って……キスしないんじゃないの……?」
紫苑は誰ともキスしないって、学校中の噂。
紫苑の体をゲットできたとしても、唇と心だけは誰も掴めない。
それなのに……――。
「姫だって、誰とも付き合わないし、誰ともキスしないんでしょ?何で俺にはしたの?」
「え……?」
「姫って、男嫌い?」
そっか、そうだった。
あたしも、紫苑と同じだったんだ。