狼彼女のお気に入り
…
………。
「はは…っ」
思わず苦笑する。
「出来るわけ…」
「出来ないなら教えない。あたしは別にテストなんかやりたくないし。二つに一つよ。………どうする?」
俺を試すかのように微笑んで、篠田はその場に座った。
このまま自力でテスト用紙を探すか
キス、…するか
よりによって、何でこの二択なんだ…
「どうにか…」
「ならない。」
「…だよな。」
こうしている間にも刻々と時は過ぎていく。
早いとこ決めなくては…
テストまで、あまり時間がない。
このままじゃ、完璧に延期だ。
「どうする…?」
「っ…」
くっ…と顎が持ち上げられる。
余裕な笑みを見せる篠田。
その顔が段々と近づく。
俺は覚悟を決めて、目をつぶった。