優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
「あ、深川君ね。
どうかした?煩いの?」



葵衣が私の顔を覗き込む。

綺麗な顔立ちに、私はしばし見とれてしまった。



「煩いなら注意して来るわよ?
私は話せたらラッキーだから!」



…葵衣が基槻に…?

心がモヤモヤした。

前までなら、“基槻と話したい”と言ってた葵衣に、“ダメ”なんて、思わなかったのに。



「違うよ?ただ、楽しそうだなって」



「そう?それなら良いの!
…話したかったなぁ」



葵衣の“残念”とでも言いたそうな表情に、私は逃げたくなる。



「ごめん、保健室に行って来るね!」



私は席を立ち、教室を出た。

基槻と基槻の友達たちの前を通ろうとした時、基槻の友達にニヤニヤとした顔で笑われた。
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