ご主人様×わたし×ご主人様
お弁当を食べながら、雑誌をパラパラとめくる。
どこも時給は安く、掛け持ちでもしない限りは生活していけそうになかった。
ふと、ある求人情報が目についた。

<家政婦募集
家事全般をする家政婦さんを
募集しています
住み込み制、日給80,000
詳しくはこちらの電話番号まで>

「はっ、八万!?」
思わず声を出してしまうほどに驚いた。
家政婦を雇って、そんなにお給料もあって……。
一体どんなお金持ちなんだろう。
家政婦という仕事に抵抗はあったけど、八万という数字に心が奪われつつあった。
ど、どうしよう……。
とりあえず電話だけでも……してみる?
この家もローンが残ってるだろうし、わたしが払っていける自信はない。
だから名残惜しいけど、この家を売って家政婦として住み込みで働く……。
自分でも驚くほどに計画をスラスラと立てていた。
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