女子高生名探偵の事件簿
呪い
「なんということだ・・・。殺人事件がおきたというのに・・・。」
古川が怒鳴った。
「古川さん。落ち着いてください。」
三田がなだめる。そんな三田に吉川が又怒鳴りつけていた。そんな二人をみながら、村下は相変わらずニヤニヤと脂っこい笑い顔を浮かべていた。
「村下はいったいなんなんだ。友人が殺されたというのに。」
立嶋がヒカルにささやいた。
「そういうひとなのでしょう・・・。」
ヒカルが大きなため息をついた。
「みんなごめん。あたしのせいで・・・。」
暗くなってしまったユミたちをみて、ヒカルがうなだれた。
「心配するな。ヒカル。お前のせいじゃないし、あたし達は大丈夫だ。」
「そうだよ。ヒカルちゃん。自分を責めないで。」
そんな二人だったが殺人事件の現場に立ち会ったというショックは隠せないようだった。
「みなさん。コーヒーを入れましたので・・・。大変な事件に巻き込まれてしまった今こそ、心をひとまず落ち着けてください。」
タケシタがテーブルにコーヒーを並べた。
「すまない。私が一番しっかりしなければならないのに・・・。」
のぼった血がおさまったのか、古川がいった。
「いただきます。」
三田がコーヒーに手をつけた。
と、そのとき。山荘のドアが開き、雪まみれになったオーナーと坂井。そしてマイがもどってきた。三人は電話線の事件で、山荘内の配電設備などを確認しに行っていた。
「オーナー。大変なことになりました。津田さんが。津田さんが・・・。何者かに殺されました。」
すぐに駆け寄ったタケシタは津田が観測所で殺害されていたことを詳しく三人に話した。
「なんということだ。」
オーナーが絶句した。
「伝説と同じだ・・・。」
オーナーがぼそっといった。その表情は緊張でこわばっている。
「オーナー。伝説とは?」
マイがたずねた。
「ここは、昔。近藤家というお屋敷があったらしい。といっても、こんな山奥なので別邸という形だったそうだが・・・。それで、話の発端は子連れの剣客がこの村を訪れたことにはじまる・・・。
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