この思い届くまで



あなたが居なくなってから
私なにも食べられないの


お腹がすかなくて
食べても吐いて

私の中であなたの存在は
こんなに大きかったのね




ほら、なんだかもう
眠たいの…
あなたの所に行けるのかな


ゆっくり目を閉じて
この世にお別れ
怖くない、あなたが居るから



「…っ………なっ…癒那!」
………陽斗…?
陽斗の声がする


うっすらと目を開けると
病院とは違う風景
目の前には川。
その向こうには陽斗。



「っ………陽斗!」

ああ、陽斗に会えた
やっと会えた

…なのに
陽斗はとても悲しそう
なんで?


「なんで、お前此所に居るんだよ!」


なんで?なんで怒るの
私は陽斗に会いたかったのに
陽斗は会いたくなかったの?


「なんでお前死にかけてんだよ!
早く帰れ!」


「陽斗と居れるなら
死んでもかまわない!」


「馬鹿なこと言うなよ…
俺は…俺はっ
お前に生きることを
諦めてほしくない…
ちゃんと精一杯生きたお前と
此所でずっと一緒に居たい」



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