俺様彼氏と空手彼女2
ニヤリ、といつもの自信満々の微笑みが葵の端正な顔に広がった。
「で、お前はまたこんなことやってんのかよ。しつけーな。」
「お前を陥れるためならなんだってやってやる。」
「そーかよ。そりゃご苦労様なことで。」
「バカにしてくれるな、森崎。また痛い目みたいわけ?」
「痛い目だぁ?」
芦野くんのその言葉にふん、と鼻で笑い
「やれるもんならやってみろよ、タコが。」
不適な笑みを浮かべ、指でくいくいと挑発し始めた。
「…っ!また閉じ込められたいのか!?」
ぐっ、と唇を噛み締めた芦野くんは拳を振り上げて葵へと向かってきた。
「…っ!」
また葵が怪我をする…。
助けなくては、と葵の前に身をのりだそうとした時だった。
「甘いんだよ、お前。」
「っ!!」
突き出された芦野くんの拳を軽く避けると、今度はそれを掴み、芦野くんごと投げ飛ばした。