俺様彼氏と空手彼女2
「っう!」
投げ飛ばされた芦野くんは、苦し気にうめき声を漏らし、咳き込んだ。
「な…なんだよ…っ何しやがった…!」
「俺、一応合気道もたしなんでいるもので。」
「な…っ」
「寝技もできますけど、うっかり骨の二、三本折っちまうかもしれないぜ」
葵は目を細め、ゾッとするような冷たい声で言った。
「ふざけ…っ」
再び拳を強く握りしめた芦野くん。
葵は、それをいともたやすく後ろから押さえつけた。
「ぐぅ…っ!」
「せっかく人が忠告してやったのに、そんなに骨折りてぇわけ?」
ギリギリと、見てるだけで分かるほど相当力をいれている葵。
どんどん、芦野くんの顔から血の気が失せていった。
「璃依に触れやがったんだからな。お望み通り、折ってやろうか?どこがいいんだ?」
「よっ…よせっ!!」
葵の顔が、あまりにも無表情で。
冷酷なまでの雰囲気に、自然と私の身体は動いていた。